活動報告

岐阜護國神社「河童(かっぱ)まつり」

水難事故防止を祈願

幼児の水難事故が心配される夏休みを前に7月1日、岐阜護國神社(岐阜市御手洗)で「河童まつり」が行なわれました。
この日は岐阜市内のかぐや第1、第2、第3幼稚園の園児をはじめ、親御さんたちを含めた約400人の方々で賑わいました。
園児たちは、まつりのためにボール紙で作った甲羅とお皿をつけ、水の精霊とも言われる河童の姿になり、河童の神様にキュウリをお供えして、お祈りした後、親御さんや保母さんと一緒に、茅の輪くぐり、お神輿引き、相撲大会、スイカ割りなどを楽しみました。

河童は人とも動物とも区別がつかない伝説上の生き物です。岐阜護國神社では、境内の御手洗の池や、鏡岩の池に住んでいたという伝説をもとに河童堂を建立しようとしたところ、瑞浪市の陶芸家・愛知文明さんから、御神体である陶製の河童の焼き物が寄贈され、河童堂建立が実現、それを機に「河童まつり」が開催されるようになりました。
河童は水の精霊ともいわれ、民話によくいろいろな形で登場します。その特徴は頭に皿があり、手には水かきがついていて、背中には甲羅を背負っています。頭の皿の水が乾かないうちは、元気に遊び、大変いたずら好きで、子供たちとよく遊びます。また、人の情けによく通じ、困っている人を助けたり、お金を儲けさせてくれる話もあります。河童は相撲が大好きで村の子供たちとよく勝負をします。河童との相撲の伝承はもともと古いもので、稲の豊凶を占うところから生まれたものであるといわれています。
稲作に水はなくてはならないもので、相撲はそもそもその占いの行為であったといいます。河童を目に見えない他の水の神の精霊に例え、その河童と相撲を取ることで稲作の豊作を願い、占ったもので、河童物語の伝承は水霊信仰と深い関わり合いをもってきたのです。
岐阜は豊かな水に恵まれた地で、その水の供給源であった御手洗の地に河童堂があり、今もその豊かな水の恵みに感謝するとともに、水難防止の願いを込めて「河童まつり」が行われているのです。

神様を身近に感じることの大切さを伝えたい

「僕たちが子供の頃はこの神社の境内から水門までの水路で、よく泳いで遊んでたんですよ。それで、僕たちもわんぱくだったので、当時の宮司さんによく怒られました。」
かぐや第3幼稚園の篠田靖之園長は当時の懐かしい記憶を辿りながら、終始にこやかで穏やかな表情でインタビューに応じていただきました。
「昔は今みたいにプールがないでしょ?だから近くの川や水路が遊び場だったんです。」
あの頃は本当に楽しかったと目を細めながら昔話を話されます。
「昔はどこの家にも仏壇があり、神棚がありました。熱心に祈る親の姿を見て、自然に自分もそうしてきました。」
幼稚園にも神棚を祀り、子供達の安全と健やかな成長をお祈りしているという園長さんは
「最近は神様を祀ってお祈りする意識が年々薄れてきている気がします。」と危惧しています。
園では、「神様はどこにでもいて、いつもみんなのことを見守ってくださっているんだよ」と伝えていらっしゃるそうで、自分も親の祈る姿や祭りに参加する姿を見て、自然と神様に守られているという意識を持つようになったそうです。

親から子供に神様の大切さを伝える

篠田園長は
「こういった神社のお祭りや行事を通して、親が神社や神様を知り、神様の存在を子供に伝えていくのが大切で、子供の頃から神様にお祈りする習慣を身につけるのが大事」
と力強く話されます。
毎年行われる岐阜護國神社での「河童まつり」を通して、園児をはじめ、親御さんたちに、もっと身近に神様を感じてほしいと優しい眼差しでおっしゃっていたのが印象的でした。

岐阜護國神社
住所:〒500-8002 岐阜市御手洗393
TEL:058-264-4321
ホームページ:http://www.gifu-gokoku.com

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